トピックス調査

人からどう見られたい?

「自分がどう見られているか」が気になる小中学生は7割。半数近くが「やさしそう」に見られたい!

こども家庭庁*の調査によると専用スマホ所持率は小学生(10歳以上)70.4%、中学生93.0%。SNSが浸透し写真の加工アプリも進化する中、こども達にとって自分の姿が他人にどう映っていたいのか、見られたい自己イメージはあるのか。そもそも自分以外の誰かの目線など気にしないのか。今回は、見られることを起点にその心理を探ってみました。見えてきたのは、「性格」や「動作や態度」といった内面についてを重要視している点でした。
*引用:内閣府「令和5年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」

「自分がどう見られているか」が気になるのは7割。

全体で見ると「『自分がどう見られているか』が気になる(*)」と答えたのは、71.3%。
小学生女子では「気になる」が73.3%、中学生女子では83.3%と高い結果に。一方、男子においては小学生・中学生ともに低めの結果でした。
(*)「すごく気になる」「やや気になる」「どちらかといえば気になる」の合計

気になるのは「仲のいい友だち」の目。

「誰の目が気になるか」という問いには9割近くが「仲のいい友だち」と回答し、小中男女のどの層でもトップになりました。次いで「知っている子」が挙がっており、親や先生などの大人の目よりも同世代の目が気になるという結果です。
大人の目については、全体で見ると「先生」が77.3%、「親」が65.0%となっています。

「見られたい自分像」があるのは約半数。

「こんなふうに見られたい」という像があるか、という問いに対しては、「ある(*)」と答えたのが約半数。「ない」が3割強。「そもそも考えたことがない」も2割弱、存在します。
属性別で見ると、男子よりも女子が、中学生よりも小学生が「見られたい自分像がある」と答えています。(*)「ある」「ややある」の合計

半数近くが「やさしそう」に見られたい!

「見られたい自分」を表すワードは、「やさしそう」が47.5%でトップになりました。それに続くのは「明るい」35.5%、「親しみやすい」31.5%。性別で見ると男子では「おもしろそう」が小学生・中学生ともに女子より20%程度高い結果でした。
属性別でみると、小学生男子は「やさしそう」が1位ですが、唯一「強そう」がランクイン。中学生男子は「かっこいい」が1位となり、「やさしそう」は3位に下がります。女子を見ると、小学生女子は「かわいい」がトップになりますが、中学生女子は「かわいい」よりも「センスがいい、おしゃれ」が上位に来ています。

『やさしそう』に見られるためには「性格」「動作や態度」が大事。

『やさしそう』に見られたい、に最も大事なことは「性格」「動作や態度」が3割程度。そして「表情」といった内側からにじみ出るような要素が並びます。
『かわいい』では「服装や髪型」がトップですが、「性格」もランクイン。 『かっこいい』には、「運動ができる」ことが最も高く、「動作や態度」も重要視されています。



最も「見られたい自分(TOP3)」のために大事なことは?

「やさしそう」に見られたい

  • 性格が大事 性格がいいと嫌われないし、優しい友達が集まってきそうだから。(小5女子)

  • 動作や 態度が大事 態度でどういう人だと判断できるから。(小6女子)

  • 表情が大事 真顔で居たら怖いから笑顔!などを大事にしたいと思ったから。(中2女子)

「かわいい」と見られたい

  • 服装や髪型が大事 Tik Tokをみるようになって、色々なヘアアレンジの仕方を知って、試してみたら、友達もやってて話が盛り上がった。(中1女子)

  • 顔や体型が大事 先輩で見た目も性格も完璧な憧れる人がいるから(中2女子)

  • 性格が大事 性格は表にも出そうだから、その人のイメージになる(中2女子)

「かっこいい」と見られたい

  • 運動ができることが大事 自分が苦手な競技がうまい人が凄い感じに見えたから(中2男子)

  • 顔や体型が大事 せんたいヒーローの人たちは背が高くて髪型もかっこいい(小4男子)

  • 動作や 態度が大事 強くて優しいヒーローみたいな人間になりたい。(中1男子)

見られたい自分に近づくために、演出や研究などに努める姿も。

見られたい自分のためにしていることは、『やさしい』であれば「相手の立場に立つ」など、‘心がけ’的な話や「ものの言い方」「態度」などが挙げられています。
『明るい』では「常に笑顔」「テンション上げ気味」といった ‘自己演出’ともいえるような声もあるほか、『かわいい/センスがいい』や『おもしろそう』では、「SNS等をみて研究する」というような声もありました。

おとな研究員
おとな研究員
おとな研究員

今回の調査で、見られたい自分を表すキーワードのトップは「やさしそう」。​「やさしそう」に見られたいと思う理由を自由回答から紐解いていくと、出てくるワードに一つの共通する存在がありました。それは「仲のいい友だち」「友人・知人」。なぜ「やさしそう」に見られたいのか。嫌われたくない、友だちがたくさんできそう、人気者でいたい、そんな気持ちも背景にあるようです。(研究員T)

調査概要

小中学生男女を対象に、子どもをとりまくさまざまなトピックスについて聴取する調査です。「子ども」「ことば」「教育」に関するトピックスについて、子どもたち自身がどう感じ、考えているのかを明らかにすることを目的としています。

調査エリア
全国
調査対象
小4〜中3 男女 600人
調査日
2024年4月28日
調査分析
公益財団法人博報堂教育財団 こども研究所
調査方法
インターネット調査
調査機関
株式会社H.M.マーケティングリサーチ

子どもの回答にあたっては、保護者の監督のもとで行っております。

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