01 マリ-ゴ-ルドと蝶々
家族とは英語、学校では日本語
自己紹介をお願いします。
一応ハーフで、父がインド人で、母がモルドバ人です。モルドバは、ルーマニアとウクライナの間の小さな国です。ずっと生まれてから日本に住んでいます。最近頑張っていることといえば、ギターですかね。去年からギターを習い始めたのだけれど、今年になってから本当に頑張ろうという気持ちが出て。それを機会に今年の夏休みとかはいっぱい練習をしました。
この写真から話したいというものはありますか?特になければ、01〈マリーゴールドと蝶々〉から聞かせください。
1番は母に、庭に植えてもらったマリーゴールドの一部で。最近植えて、本当にもう庭全体がマリーゴールドなのだけれど。もう全体が埋まっている感じで、オレンジがいっぱいですね。
どんなところが好き?
最近好きになった花なのだけれど、オレンジの鮮やかさが好きになって。前までは、オレンジはあまり気にならなかったけれど、マリーゴールドのきれいなオレンジの色が気に入って。この写真を撮った時に、ちょうど蝶々も乗っていて、それも本当にきれいだなと思って。
お庭はお母さんが手入れされている?
はい。もうすべて母が気に入っている花とかを植えているけれど、全部母のやつです。
お母さんはどんな方?
母は家で英語の先生をやっていて、今(インタビュー中)もリビングでレッスンをしている。けっこう長く、6年くらいやっているけれど、それ以外の時は庭の世話とか、家の家事とかを頑張っていて、本当にすごい元気な方です。
ご自身も英語は、お母さんに習っているの?
私の初めて習った言語が英語なので、もう元から。
家族でしゃべるときは英語?
英語です。学校で日本語を話して、どっちも使っています。
お父さんのインドの言葉とか、お母さんのモルドバの言葉とかは?
インドはヒンドゥー語なのだけれど、それは特に習っていなくて。モルドバはルーマニア語を話していて、それはモルドバに旅行に行った時に聞いて分かるのだけれど、あまり話せないですね。
02 下校中の花
男女平等があって、本当にそれがいいと思って
お父さんはどんな方?
父はけっこう真面目で、本当に仕事に集中していますね。
平日は仕事があるから、一緒に何かをする時間はあまりない?
実は反対で、けっこうあって。コロナでずっと家で働いているので、けっこう毎日いっぱい話している。それで、習い事のバレエにも送ってくれるし、その時にもいろいろ話しています。
弟さんはどんな方?
弟は本当に元気で、友達がいっぱいいる感じですね。運動部に入っているのだけれど、うちの学校では運動部に入っている男子は本当に元気で、簡単に言うとヤバいやつですね。
仲はいい?
はい。仲はけっこういいです。本当にどうでもいいことを二人で言って、一緒に笑ったりするのでけっこう面白いです。
写真に戻って、02〈下校中の花〉は?
これは最近、朝に登校しているときに気づいた花だけれど、本当にきれいだなと思って下校中に撮った。
今は、学校に毎日登校している?
毎日行っています。緊急事態宣言の時は、しばらくオンライン授業をやっていて、そのあとは分散登校をして。そのあとは普通に登校し始めました。
オンライン登校とか、分散登校はどうだった?
オンライン登校はちょっと楽で。もっと寝られて、もうちょっとリラックスして 朝を過ごせたけれど、やはり学校へ行くほうが友だちに会えるし、質問があったら実際に先生に聞けるし。それはそれぞれのいいところと、悪いところだと思います。
学校の雰囲気はどう?
本当にいい人ばかりで、みんな本当にやさしくて、思いやりを持っていていいですけれど。一番自分のクラスで気に入っているのが、男女平等があって、本当にそれがいいと思って。
03 落ち着く空
04 月
一つひとつ独特でありながら、同じものだということが 面白く感じます
03〈落ち着く空〉は?
これも下校中に撮った写真です。部活を6 時までやっていた時の、あとの写真で、暗くなっていく空の、暗くなっていく途中がすごいと思って。その端っこにある月も、小さいけれど、それも面白く思って。色も全体的に、自分を落ち着かせる 気持ちにしてくれました。
空を見るのは好き?
はい。けっこう好きですね。雲の形とかが面白く見えて、一つひとつ独特でありながら、同じものだということが面白く感じます。
次の04〈月〉も空を撮ってくれていますよね。
はい。これは習い事のバレエのあとの、本当に夜に撮った写真で、その時にここまで細かく撮れたことに、ちょっと。これはちょっと、テレビでやっていたコツを試したのだけれど、撮った時にちゃんとクレーターが見えるのに驚いて、それ が本当にきれいだと思って。地球からあんなに遠い月を、スマホだけで撮るのも すごいと思って、面白いと思いました。
写真につけてくれたコメントがすごく素敵で(※撮影写真一覧参照)。「自分 と同じように」というのはどんな気持ち?
何回も「すごいすごい」と言っているけれど、自分と同じ月を何人もが見上げていることがすごいなと思って。それもやはり、本当に素敵なことだなと思って。 そういう感じにしか表せないのだけれど。
それを誰かに送ったり、どこかに投稿したりはする? Instagram とか。
それはあまりないですね。やはり、自分の嬉しさという感じですね。自分の小さな嬉しさです。
Instagramなど、SNSはやっている?
やっています。投稿はしたいと思うけれど、やはり今はあまり……何かを投稿しても、自慢していると思われたくなくて。いろいろ友だちのストーリーとかを見たりするけれど。TikTokとかも一応あって、それは友だちとはつながらず、一人で動画を見る感じです。
07 大切なギター
09 初めてのトウシュ-ズ
自分の心を表現するのが本当にきれいなものだと思って
07〈大切なギター〉は?
私はクラッシックギターというものを使っていて、本当にシンプルで。自分的に、見た目はあまり面白くないなとたまに思っちゃうけれど、弾く時は自分が弾いてきた弦の跡がついていて、やはり、それは自分だけだなと思って。そこが大切です。
ギターを弾くと、どんな気持ちになる?
幅広いけれど、音楽全体が人間一人ひとりの感情を、独特な表現で表せるものだと考えていて。ギターをやっている時も、自分が感じているように表せるので、それもギターの先生に言われたのだけれど、それは楽器のいいところだと。
09〈初めてのトウシューズ〉は?
今年でバレエは9年目だけれど、長い間バレエに通っていて、やっと履けて嬉しかったバレエシューズで。ちょうど3年前に初めて、やっとトゥシューズを履けて、本当に嬉しくて。そこでまたいろいろ、つま先が痛くなったりがあったけれど、踊る時は美しく見せられるのでいいものだと思います。
バレエの魅力はどんなところ?
途中で辞めたいなとかいろいろ思っていたけれど、やはり続けることでどんどん上達して、上手になって。長い間やって頑張ると、体もちゃんとフィットするのがいいところで。それ以外にも、ダンスで自分の心を表現するのが本当にきれいなものだと思って。個人個人のダンサーの思いが込められているダンスを見ると、本当に素敵だなと思います。
一番好きな写真はどれ?
一番はやはり、トゥシューズですかね。9年もやってきたバレエの、やっと履けた思いが、その嬉しさがこもっているシューズなので、そこは大切だと思います。
じゃあ、一番自分らしい写真は?アイコンにするとしたら?
多分するとしたら、空の写真とか月の写真。3番(〈落ち着く空〉)か4番(〈月〉)ですね。けっこう自然の中で本当に大事なもので、きれいなものだと思うので。
これからやってみたいことや、なりたいものはありますか?
なりたいものとかは、細かくまだ決まっていない。小学生以来、あまり将来の夢を持てなくて、自分に合った仕事がどれか迷う感じなのだけれど。それとは別に、ギターみたいな趣味とかはまだ持ちたいですね。あとは、ずっと健康でいるようにとかは。バレエはまだやっていて。あとは自然で、一つひとつの小さな嬉しさを見つけたいですね。この花とか、空とか。
(聞き手:こども研究所/Zoomにて)
撮影写真一覧
01 マリ-ゴ-ルドと蝶々
家の庭にあるお気に入りのマリ-ゴ-ルドといっぱいいた蝶々の中綺麗だったもの。
02 下校中の花
学校帰りに見たとても綺麗な花。素敵な色に驚いた。
03 落ち着く空
下校中に見た爽やかな青色をした空。 帰る時に落ち着いて帰れました。
04 月
とても小さいけれども、見ると今、自分と同じように月を眺めてる人が何人もいるかもしれないとついおもっちゃう。
05 綿雲
住んでいるマンションから見えるフワッとした食べたくなるような雲。
06 マカロンショップ
最近できた家付近のマカロンの店。一つ一つユニークなデザインで召し上がるのも楽しい気分。
07 大切なギター
特に特別なデザインや音が出るわけではないけれども、弾くたびにさらに好きになる自分のギターです。
08 手作りの本
母のために手作りで作っている本。ものづくりが好きで、自分の手で作った物をプレゼントするのは想いがこもっていて、スペシャルなものだと思います。
09 初めてのトウシュ-ズ
長い間バレエに通っていてやっとはけて嬉しかったバレエシュ-ズ。
10 夏の花火
夏休みの終わる前に友達とやった花火。久しぶりにやったもので思い出に残るものでした。
インタビューを振り返って(本人の感想)
意外と自然を気に入り、芸術のカテゴリーに入る様々なものを頑張っていると気づきました。
インタビューを読んで(第三者の目線)
ふと出会ったものに美しさを見出すAさん。Aさんが心の表現を美しいと思うように、出会った人たちの中にもAさんの踊りや演奏を美しいと感じる人がたくさんいることでしょう。Aさんのまわりで美しさの連鎖がたくさん起こっていそうです。私も14歳の時にクラッシクギターを始め、子供の頃はバレエをしていました。弦を押さえる痛みも、トウシューズの痛みも美しい思い出になりました。その美しさに今Aさんは寄り添っているのだなと思い、遠くから応援しています。
(山形県、40代、デザイナー、妖精さん)
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