小説とイラストで架空の世界を創造する 港区の中学2年生の話

写話#053
ニックネーム:アイ
インタビュー実施:2022年度

学年:中学2年生

性別:女性

居住地:東京都港区

家族構成:父、母、本人、弟(小3)

所属部活動:美術部

学習塾:数学

習い事:ゴルフ

趣味:小説を書く・読む、絵を描く

特技:空想の世界を作り上げること

最近ハマっていること:ゲームプログラミング

これからやりたいこと/なりたいもの:小説家

一番自分らしい写真

02 きらきら光るもの
01 イヤホン・ヘッドホン

01 イヤホン・ヘッドホン

02 きらきら光るもの

02 きらきら光るもの

前世はカラスだったかもしれないです

自己紹介をお願いします。

はい、ええと、アイです。で、ええとー、好きなものは、絵とか、あと小説とか、あと最近は、あの、曲作るのとか動画作るのとかにもハマってます。で、お父さんは、あの、ゲーム作るのとか音楽作るのとかも好きで、だからあの、たまにお父さんにいろいろ教わったりとかしながら、いろいろ好きなものを作って、適当に生きてます。

なんでこの調査に参加しようって思ったの?

ええと、なんかホームぺージを見にいって、インタビューをちょっと見たんですけど、あのー、載ってる写真とかきれいだし、あとほんとにしゃべったまんまの言葉を載っけてるのが分かるというか、あ、何も変えてないな、っていうのが分かったんで、なんかしゃべりやすそうだなって思ったのと。あと、やっぱりこう、学校とかだと自分のことをしゃべるっていうことが少なくて、みんなが共感できることが話題の中心になるので、なんか一種のストレス発散というか、なんかたまにはいっかなって思って参加しました。

撮ってくれた写真について聞いていきたいのですが、話しやすい写真とかありますか?

え、えー、全部、はい、思い入れあるので、1から順繰りに。

では、01〈イヤホン・ヘッドホン〉は、どういう写真ですか?

ええとー、左っかわの白いのが、AirPodsとかの、あの、無線イヤホンのケースで。で、右にあるのが今これつけてるんですけど、黒いヘッドホンです。

コメントに「ヘッドホンは付けると落ち着きます」と書いてあるけど。

はい、なんかこう、守られてる感があって。だし、なんというか、あのー、スポンジ部分みたいなの(イヤーパッド)があってやわらかいので、ま、さすがに長時間つけてると痛くなるんですけど、1~2時間くらいだったら余裕というか、心地いいなぁって感じです。あの、ここ(ヘッドバンド)の長さみたいなところも、これって感じでこだわりがあったりします。

02〈きらきら光るもの〉は、どういう写真でしょう?

これはええとー、キラキラ、なんか光ってるものが好きなので、とりあえずそれを集めれるだけ集めて、で、撮った写真です。石とか、あと、真ん中に写ってるんですけど紫色のブローチとか、あと、ネックレスが箱の中に入ってたり。まったくもってつけないんですけど、キラキラ光ってるのを見るのが好きなので。あの、ビー玉とかも箱に入ってたりします。このフクロウは、あの、目がすごくキラキラ光ってるのと、あとかわいいので、ええと、はい、一緒に置きました。

キラキラしたものが好きなんだ。

はい。なんでかは分かんないんですけど。

(コメントを見て)前世はカラスだったかもしれない?

はい、カラスだったかもしれないです。お母さんにもよく「カラスだったんじゃない?」って言われます。

このフクロウもお母さんが買ってくれたんですね。

はい。なんかお母さんが「買ってきたよ」って。あぁ、フクロウって思って、きれいって思って、ポンって置きました。あの、フクロウも好きなので。

ちなみに、お母さんってどんな人ですか?

えー、どんな人だろ、強い?というか、強いし、いろいろ考えられるし、頭もいいし、尊敬してます。自慢の母です。

じゃあ、お父さんは?

お父さんも、はい、お父さんもよくふざけてくれます、一緒に。なので好きです。あとこう、曲とか、たまにゲームのプログラミングとかもしたりするんですけど、たまにバグとかがあってどうすればいいのか分かんないときとか、お父さんに聞いたらだいたい直るっていう。

03 しおり

03 しおり

04 漫画と小説と画集

04 漫画と小説と画集

あたしに影響を与えたものの作品をかなり置いてます

03〈しおり〉は、どんな写真でしょうか?

これは、ええとー、しおりです。友達にたしか誕生日にもらったしおりで、ええとー、藤の花、きれい、かわいい、かわいい猫ちゃんと藤の花が一緒にある、すごくかわいい、お気に入りのしおりです。

とっても繊細な感じですね。

はい。今にも折れそうでちょっと怖いというか。

どこのお友達にもらったの?

ええとー、◯◯(フリースクール)のほうじゃないほうの学校の友達です。

そのお友達は、アイさんから見てどんな友達なのかな?

なんかすごいこう、なんだろうな、誰かと誰かがケンカしてたら、それが自分の友達だったら、仲裁というか、あの、仲を取り持つというか、こう、冷静な子なんですけど、やさしいし、こう、感情が表に出ないっていうわけじゃなくて、よく笑うし、すごくいい子です。

04〈漫画と小説と画集〉は、どういう写真でしょうか?

あのー、自分の部屋にある本棚の一段で、えっと、これはあの、他の段はざわーっと長めのシリーズのやつとかもいろいろマンガとかあるので、つわーっと置いたんですけど、ここはあの、とりわけお気に入りというか、あたしのなんだろうな、世界観というか、あたしの好きなものをとりあえずこう、あたしに影響を与えたものの作品をかなり置いてます。

そうんなんだ。

左っかわに置いてあるシリーズが、あの、妖怪とかが出てくるタイプで。で、この真ん中の黒くて分厚いやつが、ええとー、連作短編で、こう、主人公としゃべるバイクが一緒に旅をするっていう、すっごく面白い内容で。(……中略……)で、この、赤と青の漫画は、ネットでこの作者さんの他のマンガを見て、あの、世界観とかコマ割りとかセリフとか言葉選びとか、あと、絵とか構図とかも全部、全部全部すごすぎて衝撃を受けまくって。

あの、その人のマンガって一話読むと1時間半くらいは、なんか考えるとき頭のなかがマンガの状態になるんですよ。こう、コマ割りになってくみたいな影響力が一話だけでもとてつもないマンガで。アニメイト行ったときに見つけたんですけど、あ、これ、あの人が描いてたマンガだって、思わず興奮してそのまま買いました。

すぐ分かった?

すぐ。もう絵柄で分かりましたね、あ、あの人だって。

こういう自分好みのマンガや小説はどうやって見つけるのかな?

全部ここに置いてあるの、たまたま見つけた、ですね。今思い出してみると、もう、左っから右まで全部たまたま売られてるのをたまたま見つけて衝動買いしたっていうので。運命なのか?って、えぇ、はい。私の好みがこれなのか、これを読んだことにより私の好みが変わったのかって、あの、卵が先か鶏が先かみたいな感じなんですけど。でもまぁ、好きなことに違いはないので、ま、いいかなって感じです。

マンガとか小説は、どんなときに読んでいる?

んー、買ったその日とかの帰り道で読んだりとか、あとは、ヒマなとき。なんかネットも違うし、YouTubeも違うし、絵も描きたいわけじゃない、小説書きたいわけでもないし、やることがないなぁっていうときに、ぶらーっと本棚の所に行って、これ読もうってなって、読んだりとかします。

06 3年前のノート

06 3年前のノート

07 パソコンにあった設定集

07 パソコンにあった設定集

08 2年前

08 2年前

たまにこいつ天才か?ってなったりするので、けっこういい学びがあったりします

06〈3年前のノート〉は、どういう写真ですか?

これはまぁ、ええと、3年くらい前から小説を書くようになって。で、なんかお母さんに「このノートあげる」って言われたので、うーん、どうしよう、なんか小説書くタイプ……、あの、(このノートは)横書きなんですけど、私は縦書き(で小説を書くこと)が好きだったので、直接書くようなノートでもないしなぁって思ったので。あのー、そのときにはかなり設定がごちゃごちゃしはじめてたので、よし、一旦整理しようって思って、内容を(ノートの)なかに、こんな感じの場所でみたいな世界観を書きはじめてたんですけど。なんか物足りないなぁってノートを見て思って、そうだ!って、表紙に絵を描きまくろうって思って、最初はこの真ん中にある果物が最初だったんですけど、どんどんどんどん他にもいろいろ小説のなかに出てくるものとか、こんなのが小説のなかにあったらいいなぁっていう物とかを、ガンガンガンガン描き進めていきました。

そもそも小説を書こうと思ったのは、何かきっかけがあったのかな?

ええと、『デルトラ・クエスト』っていう、けっこう有名な小説だと思うんですけど、それを読んで、あのー、なんか冒険だったので、あたしもこの冒険したいなぁって思って。それと同時にこう、物語ってなかに誰かの人生が入ってるというか、キャラクターの人生の一部があるから、なんかいいなぁって思って「書きたい書きたい」って言ってたら、あのー、お父さんとお母さんに「なら書けばいいじゃん」って言われて書きはじめましたね。

07〈パソコンにあった設定集〉は、キャラクターたちの設定だね。

はい、なんか写真撮れるものないかなぁって思って探し回ったら、あ、そういえばこの設定集あるじゃんって思って。これはええとー、和風な世界観のところの子たちなんですけど、こうなんか、名前とか種族とか誕生日とか好きなものとかダダダっていろいろを書いたの、ですね。あのー、たまになんかこんな子いなかったっけ?って思って、そういえばこれあるって見にいくと、そうそう、そうそう、そうそう、そうそう、これ、これ、これってなる。思い出すというか、納得するというか、まぁはい。

これを元に小説を書いたり……

書いたり、あとは、あの、先に全部の設定決めずに、書いていくうちに、こう、性格とか口調とかが、こう、手に慣れてくるというか、書いていくうちに、あ、この子はこういう理由でこんな行動を取る子なんだなっていうのが、だんだん、あの、最初は自分でも手探りで、その子に対してイメージしか持ってないので、だんだんだんだん分かってくるようになってきてっていうのがあったり。あとは本当に最初っから、この子はこれがあったらこうする、で、こうなったらこうする、みたいなもう決めておいて、で、それを元に小説を書くっていうのとかもあります、はい。

書いていくうちにキャラクターが動き出すみたいなことが起こるってことか。

あぁ、そうですね。起こります、かなり。なんか、人の取る行動って選択肢がほとんど無限じゃないですか、こう、起きるひとつにしても、どんなタイミングでどんな態勢でどんな気持ちでみたいなのは、あのー、千差万別というか、たぶんそのときそのとき一瞬一瞬で変わるので、なんか、書いていくうちに性格とかが分かってくるっていうのは、こう、本当に生きてるみたいでいいなぁ、楽しいなぁって思いながら書きます。

08〈2年前〉という写真は?

あの、今はパソコン持ってるんで、アプリに書いてるんですけど、あの、パソコン持つ前までは、国語のノートを買ってそこに、あの、小説を書いてました。で、写真の右にあるのは自分一人で書いてたので、左にあるのは友達と一緒に書いてたやつです。友達に、あのー、一緒にリレーというか、こう、1章を書いたら次の子に渡して、その子が1章書いたら別の子に渡して、で、1章書いたら私の元に戻ってきてみたいな、グルグルやってたんですけど。あのー、三人でやってたんですけど、ええと、たぶんいまだにまだ小説を書いてるのってあたししかいないんで、たぶん他の子たちは、あの、そのノートが押し入れの奥底に眠ってるか、可燃ゴミにいってるかのどちらかだと思います。

ああ、そうなんだ。

はい、ちょっと悲しいなって。実はこれ、ええと、右側にある国語のノートの一番上に、「宝石1巻」ってあると思うんですけど、これがあの、あたしが初めて書いた小説というか、初めてのやつですね。一番古い子です。

ちなみに、どんな話なんですか?

ええと、かなり『デルトラ・クエスト』に影響受けてて、なんかこのディーラっていう国があって、そのディーラを不思議な力で守ってた宝石があるんですけど(……中略……)っていう感じの小説です。ほんとによくあるというか。国ひとつ救うので、初期ながら壮大なものを書いてるなぁって思います。

今でも読み返したりとかする?

はい、たまにします。あの、改行を知らなかった時代なので、読っみにくいなぁって思いながら、あの、でも楽しかったんだよなぁって思いながら、はい、読みますね。たまに自分の、なんというか、設定とか表現とかに、こいつ天才か?ってなったりするので、けっこういい学びがあったりします。

そうか、昔の自分に学ぶ。

はい、それがなんか、記録を残すというか、昔のものを見返すことの、なんか、いい部分だなってよく思います。

最初に書いたのはいつ頃だったの?

小学5年生のときに一人で書きはじめて、で、小5の後半、かなり後半から友達とリレー小説をはじめてって感じですね。

09 キャラクターデザインもどき

09 キャラクターデザインもどき

10 便利なサイト

10 便利なサイト

小説を書いたら、この子たちはその小説のなかの世界で生きていけるんだって思って

09〈キャラクターデザインもどき〉は、どういう写真ですか?

あ、これはええとー、今、あの、計画してるというか、あの、ちゃんと今は流れを考えるようになってるので、それでイラストを描いて、そのイラストの、この、見た目とか表情とか服とかから、この子はたぶんこういう子で、こういう性格で、こんな家庭環境で、こういうことだったらこんな感じになるんだろうなっていうのを想像したりして、そっから、じゃあこんなことをさせたらどうなるんだろう、っていうところから小説を思いつくことがあったりしたので。だから、あの、なんだろうな、イラストから何かを予定しているというか、小説を考えるときのあたしの足しになるというか、助けになるみたいな、こうしてみたいなって思って描いた子ですね。

で、キャラクターデザインもどきって銘打ってるんで、あのー、いろんな表情の、いろいろ喜怒哀楽の表情を描いたりとか。あと、あのー、それぞれ名前があるんです、名前書いてるときの文字とかを、ペンの種類を変えたり、色を変えたり、太さ変えたり、あと、特に一番右の子はいかに汚く、でもギリギリ読めるかっていうところを目指したりとか、新しいことをいっぱいしてみました。

これも小説に生かすもの?

はい、ガンガン小説に生かすやつですね。あたしって、あの、たとえば1個ドーンって大作というか、個人的にがんばったなって思うのを完成すると、あの、二手に分かれるんですよ。そのまま意気消沈して3ヵ月間何も書かないか、そのままの勢いに乗って3日で何かを完成させるかの二つになって。あのー、遅筆というか、筆がすっごく遅いほうだから、ガンガンいろいろ書き進めれるってわけじゃなくって。だから、逆に、それを逆手に取って、あの、小説とかも1章分書き終えると、あ、もう無理だっつって2〜3ヵ月何も書けなかったりするんですけど、するとその2〜3ヵ月の間に絵が描けるんですね。絵と小説を同時に書こうとするとどっちもダメになるから、片方ずつ書くことにして。で、そうすると、上手い具合にこう、(絵を)描ける時期と(小説を)書けない時期が重なり合ってみたいな感じがして、案外いい感じです。たまにほんとに何も書けない、もう何もできない、何も作れない、みたいなときがあって、そのときが本当に苦しいって感じですね。

その書きたいって思いは、どこからくるんだろうね。

ええと、最初は小説とか絵とか書くのは単純に楽しいからだったんですけど、途中から絵を描いてキャラクターを作って、で、そのキャラクターに設定をつけて、で、そこで満足してたりしたことが多かったんですね。でも、それって、ちょっと言い方が悪いんですけど、子ども作ったらネグレクトしてるような親に似てるなって思っちゃって。こう、作っといて放置するっていうのがちょっと重なっちゃって、なんか嫌だなぁって唐突に思って。じゃ、どうしたらいいんだろうって考えたときに、小説を書いたらこう、物語があって人生ができるじゃないですか。だから小説を書いたら、この子たちはその小説のなかの世界で生きていけるんだって思って、それからまぁ、半分取り憑かれたかのごとく、あのー、小説とイラストをひたすらに書いて、作って、考えて、みたいな状態になりましたね。

将来、小説家になりたいとか、そういう気持ちってある?

はい、あります。めっちゃあります。もう小説と絵だけを書いて生きていけるような暮らしができたらなって、それが一番楽というか、一番楽しいし、って感じですね。ネットとかにも投稿してみたり。すっごく閲覧数は少ないんですけど。

ネットにも投稿しているんだ。その他に、小説家になるために、何かやっていることはありますか?

んー、やっぱり、単純に読書量というか、あのー、今まであたしって本を読んで、で、そのなかの表現とか運び方とかを学んで、で、それを自分のものにして書いてってやってきたので、あのー、単純に小説を書けないときって本を読んでないときなんですよ。あのー、刺激がないとやっぱり書けないは書けないんですけど、でも何よりもやっぱり土台。だから最近気づいたのが、私は、なんというか、AI(人工知能)に似てる。なんかかっこつけてるわけじゃないんですけど、こう、学習の方法というか、自分のものにするやり方がちょっとだけAIに似てるというか、こう……

AIに似ている?

なんか、アイデアをポンって出すんじゃなくて、情報をある程度集めて、で、それでAIは近しいものを合わせるんですけど、私の場合は、ま、さすがに人間なので、あの、遠いものと遠いものをガッと合わせて、で、アイデアを作ったり。でも、やっぱりこう、そのためにはたくさん情報とかが必要なので、やっぱりもっとたくさんいろんな小説を読みたいなって思ってます。

11 お気に入りの絵

11 お気に入りの絵

05 相棒

05 相棒

さすがに誰も大事なものを切り離すことはできないので、小説から離れるのは難しいかなって感じですね

11〈お気に入りの絵〉という写真は?

和服と、あの、煙々羅(えんえんら)っていう、煙の妖怪。煙羅煙羅(えんらえんら)とかいろいろ名前があるんですけど、なんか、煙がモクモク~、みたいな感じの妖怪がいて、そいで、それと和服と、あとなんか、骨っぽい何かを、なんかこう、森の奥のほうにいる謎の動物の骨を身につけている魔女みたいなのがすごく好きだったので、あの、全部混ぜたろうって思って、で、描いたやつですね。

その妖怪はどうやって知ったの?

もともと、なんだったかな、えーと、今昔百鬼……なんか江戸時代の妖怪の画集(『今昔百鬼拾遺』)があって、で、そこにあるやつですね。そもそも煙々羅っていう妖怪を知ったのは、あたし「妖怪ウォッチ」から知ったんですけど、そっから調べてみたら、なんだこれ?って感じで、意外と面白いぞってなって、モチーフにしようってなりましたね。

「突発的に描いたのに4日ほどで終わりました」ってコメントにある。

はい、基本的にこんなの描きたい!ってなって描きはじめると、30分であたし諦めるんですけど、だいたい。このときはスイッチか何かが入ってたのか、ダァっと描き上げれて。あのー、体感としては1ヵ月くらいかかった気持ちだったんですけど、アプリに作成日と最終編集日みたいなのがあって、それを見てみたら4日ぐらいだったっていうので、すごく衝撃を受けて、で、はい。

集中すると一気に描き上げてしまうんだね。

はい、ガッとくればガッといきます。

撮影してくれたなかで一番好きな写真はどれですか?

うわ、悩ましい、んー、んー、ん……

じゃあ、質問を変えて一番自分らしい写真は?

2(02〈きらきら光るもの〉)が一番自分らしいかなって思います。好きなものがけっこう……いっぱい、あの、キラキラしてるので。

そうか、前の質問に戻って一番好きな写真を選ぶとしたら?

一番好きなのは……6ですかねぇ。

06〈3年前のノート〉だね。

なんかあの、たまに見返すんですけど、あ、そういえばこの設定だったとか、懐かしい気分になれるし、何よりやっぱり表紙の描き込みががんばってるなぁって感じで、はい、好きですね。

ちなみに、前はお友達とリレー小説を書いていたけど、今は小説のことを語り合える人っているのかな?

全っ然ないですね。あの、こないだ気づいたのが、小説ってこうなんか、私っくらいの年代って、たぶんあの、タイムパフォーマンスっていうのもあって、あの、分かりやすいものが善しとされて、分かりにくいものは悪しとされるというか。マンガとかっていうのは、イメージをそのまんま描いてるじゃないですか。小説の場合は、「真っ赤なりんご」って書かないと、真っ赤なりんごが出せないんですけど、イラストは、赤いりんごを描けば全部済むんですよ。こう、小説の場合はインプットする場合もアウトプットする場合も、一度文字に変換してるので、ひと手間かかるというか。だからあの、書く人が少ないし、こう、とっつきにくい。言葉っていうのも、小説って、ま、文学といいます、こう、書き言葉というか、ちょっと高尚なイメージがみんなある気がして、とっつきにくいってのもあって。だからこう、入ってくるのもみんな躊躇するし。

で、書いたはいいけど、でもこう、続けないと上達しないのは全部そうなんですけど、イラストってこうグワンって成長するときがあるんですけど、小説はこう、なんかのっそりなイメージが、自分書いてて思ってるので、たぶん成長も感じられないし、あと何より誰も文字とか追いたくないですから、イメージのほうが格段に分かりやすいので、結局のところ、みんな小説からは離れてって、って感じだと思います。

そういう同世代の子たちがいるなかで、アイさんはどう?

うん、まぁ気持ちは分からなくもないけど、でも、私はやっぱり小説に価値というか、小説が大事なものなので、さすがに誰も大事なものを切り離すことはできないので、私はやっぱりこう、離れるのは難しいかなって感じですね。

(聞き手:こども研究所/Zoomにて)

撮影写真一覧

01 イヤホン・ヘッドホン

01 イヤホン・ヘッドホン

お気に入りのイヤホンとヘッドホンです 特にヘッドホンは付けると落ち着きます

02 きらきら光るもの

02 きらきら光るもの

前世がカラスだったのかというくらいきらきらと光るものが好きなので、それをつめた宝箱のようなものと、その中のきらきらしたものと、つい最近お母さんが買ってきたフクロウの置物です フクロウの目がきらきら輝いてかわいいです

03 しおり

03 しおり

友達からもらったしおりです 写真だとわかりにくいですが藤の花と白い猫のしおりです よく使ってます

04 漫画と小説と画集

04 漫画と小説と画集

うちにある漫画や画集の中でも特に絵柄や内容、世界観が好きなものを並べた本棚です 見えていないですが奥の方にも漫画があります

05 相棒

05 相棒

お気に入りのシャーペンです 持ち心地や書き心地が好きなのでよく使ってます よく相棒って呼びます

06 3年前のノート

06 3年前のノート

3年前に突発的に「そうだ!設定をまとめよう!」となって書き始めたノートです 「そうだ!表紙に絵を描こう!」となって満足するまで表紙を書き込み始めましたが途中で心が折れました

07 パソコンにあった設定集

07 パソコンにあった設定集

2年前にまとめ出した設定たちです 名前や誕生日、好きなものなどをまとめています

08 2年前

08 2年前

2年前までは国語のノートに小説を書いていました 右のノートたちは自分一人で、左のノートたちは友達と一緒に書いた小説たちです 最近表紙にどの話が書いてあるのかわかるように登場人物の名前を書きました

09 キャラクターデザインもどき

09 キャラクターデザインもどき

イラストを描いてから小説を思いつくことが多いのでそれを逆手に取ってキャラクターデザイン的なものから小説の内容を考えられるようなものを書きました 一人の顔を何度も感情や向きを変えて書くので楽しかったです

10 便利なサイト

10 便利なサイト

創作のためのサイトっていう感じのサイトを最近見つけたので使っています 写真は今度書く予定の小説の大体の流れの一部です 「キャラクターデザインもどき」のイラストのキャラクターたちが主軸です

11 お気に入りの絵

11 お気に入りの絵

煙々羅と言う煙の妖怪をモチーフに描いた絵です 突発的に描いたのに4日ほどで終わりました 題名にもあるとおり、お気に入りです 和服や手や煙っぽい髪の毛が上手くかけて嬉しかったです

インタビューを振り返って(本人の感想)

自分の好きなことや大事にしていることを他の人の共感を気にせずに話せることは少なかったので、貴重な時間でした。それから、自分の言葉で誰かに説明することでふわふわとしか考えていなかったことがはっきりとしたので自分でも気づきが多かったです。
「自分らしいな」と感じたことはありましたか? 「一番好きな写真は?」と聞かれてすごく悩んだことです。自分は好きなものに対してあまり優劣をつけれないんだな、と思いました。
「自分は意外とこうなんだな」と気づいたことはありましたか? そのまま出てきそうな言葉を一度止めて相手に伝わるかどうか考えながら言葉を選ぶので、自分の言いたいことが伝わってほしい!と強く思っているのかな、と思いました。

インタビューを読んで(ご家族の視点)

「この子らしいな」と感じたことはありましたか? 「小説や絵だけを書いて(描いて)生きていきたい」という事はいつも本人から聞いています。本人の願いが叶うといいな。と、いつも想っています。
意外だった/知らなかったことはありましたか? 特にありません。
その他に気づいたことなどはありましたか? 改めて成長を感じました。私の知らないこともたくさん知っているので普段から驚かされるのですが、絵や小説への想い、自分の創作スタイルなどをとても理解していて、「本当に凄いなあ。」と感じました。私自身はクリエイティブな発想が全くないので尊敬しています。

(アイさんとの関係:母)

インタビューを読んで(第三者の目線)

アイさんは好きなものにたくさん囲まれて生活しているんだなあと感じました。
小説を書いて燃え尽きた期間を絵に充てるという斬新な創作スタイルに思わずなるほど!と声が出てしまいました。そんな時間の使い方もあるんだなあと。
私も小説や動画の作成などの創作活動に触れてみたことがあるのですが、最初はどうしても思っていたようなものを作り出せないんですよね。私の場合はそこで諦めてしまうので何年も持続して好きでいられることって本当に素敵なことだと思います。
いつか書店に並ぶアイさんの作品を読んでみたいです!

(宮城県、20代、大学生、甘党さん)

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