09 水族館パンフレット
08 バンドウイルカ
イルカしか見てなかったかもしれないです
簡単に自己紹介してもらっていいですか?
えー、名前はシャッチーといいます。江東区に住んでます。えー、特に海の生き物が好きで、毎週、いろんな海の生き物に関わることをやってます。っと、部活動はバスケットボールもやって、それで、すごい体を動かすのも好きです。で、あの、野球とかバスケとかのスポーツ観戦にもよく行くので。
撮ってきてくれた写真を見ながら、お話をできたらと思っています。写真を撮るときに最初にどれを撮ろうって思いましたか?
一番初めに9(〈水族館パンフレット〉)撮ろっかなっと思いましたね。
それはなんでだろう?
んー、やっぱ自分がよく行ってるのを表しやすいかなぁっていうふうに思ったので。
このなかで最初に行った水族館とかって覚えてたりする?
一番最初はどこだったかな?でも、集めはじめたのが、自分が好きだなって自覚しはじめたときだったんで。たぶん、一番左下の「しながわ水族館」って書いてある、これが一番古いかもしれないですね。この、(並び順の)左が古いパンフレットで、右が新しいパンフレットなんですよ。
何歳ぐらいかって覚えてたりする?
分からないんですけど、4歳とか5歳とか、それぐらいだと思います。
そっか。そのときの記憶って、なんとなく残ってたりする?
んー、あんまり残ってないんですけど、とにかく好きだったみたいですね。
たとえば、水族館だとこのコーナーによくいるみたいなの、あるのかな?
あ、もうそれはイルカがずっと好きですね。昔はイルカしか見てなかったかもしれないです。他の魚とかあんま興味なかったかもしれないです。
08〈バンドウイルカ〉という写真もあるけど、イルカが好きなのはなんでだろうね。
よく聞かれるんですけど、自分でもなんで好きかあんまりよく分かってないんですよね。形っていうか、なんかこう、見たときに、あ、これ好きだなって思うんですけど。なんで好きかっていうのは、自分でもあんまりよく分からないです。
いろいろな水族館にイルカっているけど、この写真の横浜のが一番なのかな?
や、これはたまたま上手く撮れたので。
今まで行ってきた水族館で、ここよかったなぁってとこあったりする?
あぁ、僕が一番印象に残ってんのは、(09〈水族館パンフレット〉の)一番右下の鴨川シーワールドっていうところと、あとは真ん中の右から3列目のアドベンチャーワールドって所ですね。そのふたつは特に印象に残ってます。
へぇ、なんで印象に残ったの?
っと、鴨川シーワールドは、日本で唯一シャチのパフォーマンスやってる水族館で。そのシャチのパフォーマンスを見たときに、なんか、感動というか、やっぱすごいなってすごい思ったのが、印象に残ってて。で、アドベンチャーワールドっていうところは、期間限定で夜のイルカのパフォーマンスがやってて。すごい花火とか打ち上がるぐらいスケールおっきいのがやってて、なんかそれがすごい印象に残ってるからですね。
水の生き物に惹かれるのって、なぜなんだろうね。どういう関心なんだろう?
自分的には、やっぱ形とか、動きが、なんか好きなのかもしれないです。
10 お手紙
06 キタユウレイクラゲ
この封筒見てると、あぁ、やってよかったなって思うみたいな
水族館には、年に何回ぐらい行ってるんですか?
今は、だいたい1週間に1回か、ま、2週間に1回は必ず行くようにしてるっていうか、行ってます。
一番行く水族館ってどこかな?
一番行くのはスカイツリーの下にある、すみだ水族館っていう水族館ですね。
そこに何か惹かれるものがあるのかな?
一番はそこの飼育員さんと仲がいいので、行っておしゃべりするのが楽しいっていうのが一番かもしれない。
仲良くなったきっかけって、なんだったんだろう?
自分が(飼育を)やってるクラゲのことで、その、分からないこととか協力してほしいことを手紙で送ったのがすみだ水族館だったんで。で、その手紙を読んでくれた方と、その仲間たちと仲良くなったって感じです。
10〈お手紙〉がその写真だね。具体的にどんなことを聞いてみたんだろう。
あの、僕がやってるクラゲのことっていうのが、クラゲっておんなじ種類でも胃の数が違う個体がいるんですよ。クラゲって、傘の部分があって、そこに4つ丸い模様みたいのがあるの、分かります?
あぁ、なんとなく。
で、その4つの丸が胃なんですけど、4つじゃない場合がたまーにあるんです。で、その胃の数が違った場合、胃に食べ物を運ぶ部分、食べ物をキャッチする部分の数も、じゃあどういうふうに変化するのかとか。あとは食べる量だったり、消化のスピードっていうのが、どういうふうに変化するのかっていうのを、まぁ自分で調べてて。で、そもそもクラゲの胃の数が違う個体っていうのが(自分のところに)いなかったので、あの、胃の数の違う個体がいっぱいいるであろう水族館の人に「そのへんはどういうふうになってるんですか?」っていうのを聞いたって感じですね。
そうなんだ。返事のお手紙にはなんて書いてあったのでしょうか?
お手紙には、「実際にクラゲを貸し出して実験をやらせてあげることは難しいけど、水族館に来て、自分たちの飼育してるクラゲのなかで胃の数が違う個体がいたりしたら、その餌やりを見てもらうことは可能だし、質問があるときにどんどんメールとかしてくれるので協力することはできます」っていうふうに言っていただきました。
シャッチーさんのなかに、これを知りたい!って情熱みたいなものがあって、飼育員さんにお手紙まで書くっていう、何かこう突破する力みたいなのをすごく感じるんだけど。シャッチーさんのなかで、それは別にハードルとかじゃなくて、知りたいから聞いてみたみたいな感じなのかな?
ま、多少、躊躇はあったんですけど。自分が飼育員さんなったときにそういう手紙きたら、あ、なんか、楽しそうだなっと思って。別に、むこうも、もらって嬉しいんじゃないかなっと思って。じゃあ、もう書いちゃおうと思って。
返事が戻ってきたときは、どんな気持ちになった?
わぁ、ほんとに戻ってくるんだっと思って、ちょっと感動というか、めちゃくちゃ嬉しかったです。
写真のコメントに「宝物」って書いてあるけど、今はどこにしまってあるのかな?
今は自分の机の近くに置いてありますね。
読み返したりする?
読み返したりはしてないですけど、なんかこの封筒見てると、元気になるじゃないですけど、なんか、いっつも、あぁ、やってよかったなって思うみたいな。
01 生物採集
03 採集セット
05 クラゲのエフィラ
07 イオリクラゲ
そのつながりが増えていくのが、ま、楽しいですね
いっぱい撮ってきてくれた写真のなかの7枚がクラゲの写真。01〈生物採集〉はクラゲ採集をしてるところかな。これはお台場?
はい。でも、バックがいいですよね。あのー……後ろが、レインボーブリッジが写ってる状態でクラゲ採ってるっていうのが、らしさが出てていいなって。
クラゲ採集の難易度ってどうなんですか?03〈採集セット〉という写真があるんだけど。
難易度はけっこう高いですね。クラゲをきれいな状態で採るっていうことが意外に難しくて。自分の採りやすいとこにいるクラゲって弱ってるクラゲなんですよ。こう、(遊泳能力が低くなって波に)流されてきちゃってるので。なんで、なるべく元気なクラゲを見つけて、それをきれいな状態で採るっていうのは、ま、陸から海の下を見てるんでそうなんですけど、すごい難しいですね。
へぇ〜。クラゲにハマったきっかけって、なんなんだろう?
なんか、僕自身、もともとめちゃくちゃクラゲが好きっていうわけじゃなくて。それこそ水族館とかで見てはいたんですけど、イルカとかのほうがめちゃくちゃ好きで。それで、クラゲはどちらかというと研究対象として好きっていう感じですね。
こんなにクラゲを撮ってきてくれたけど、そこまで好きではなくて、研究対象?
や、まぁ、好きなんですけど。なんか、イルカとかに比べると、そうですねぇ、研究対象として好きっていう感じですね。
研究のやりがいってどういうところなんですか?
ま、自分でこうなんじゃないかなって思ってたことが、ま、当たるときも外れるときも、その、事実として確定したときが一番楽しいですね。あとはその、自分で研究やってて、手紙書いたり、あとは大学の先生に電話したりもしたので、なんか、そういうことしてて、自分のどんどんクラゲ仲間っていうか、そのつながりが増えていくのが、ま、楽しいですね。
「クラゲ仲間」っていい表現ですね。年上の人と話すのも、そんなに苦ではない?
はい、むしろ好きですね。年上の人と話すの。やっぱ、自分の「こうだと思うんですけど」っていうことに対して、なんかめちゃくちゃいいフィードバックもらえるっていうか。やっぱ、自分よりもずっと(クラゲを)見てる人たちなので、なんかすごい、話してて楽しいっていうか。あの……正しい視点をくれたり、あとはなんか、「こういう記事でそれっぽいこと見たよ」みたいの教えてくれるんで、そうするとまた自分の調べる範囲も広がるので、そういうのが楽しいですね。
あぁ、すごいね。逆に、中学校の同世代のお友達と話してるときはどんな感じなんだろう。テンション的に。
それはもう、普通の中学生として話してます。次、数学が面倒くさいとか、そういう話です。
04〈家で飼ってるミズクラゲ〉と05〈クラゲのエフィラ〉は、飼ってるクラゲを撮った写真ですね。クラゲの成長をとおして、何か感じるところはありますか?
んー、なんですかね。ま、でも、クラゲは水質の変化にめちゃくちゃ弱くて、朝起きたらなんか急にどっか変なとこ張りついて動けなくなってるとかあるので、なんかあの、些細なことに気を配る力っていうか、そういうのは必要かなぁって。クラゲの動き見て、なんかちょっと水替えたほうがよさそうだなぁとか、今日、餌あげすぎないほうがいいのかなぁみたいな、自分でもそれが正解かどうか分かんないんですけど、なんか、感覚に頼ってというか、そんな気がしたらそういうふうにして、ま、試行錯誤しながらやってます。
次の06〈キタユウレイクラゲ〉と07〈イオリクラゲ〉についても教えてもらえる?
水族館にいて、すごい上手く撮れそうな位置にいたのでちょっと撮ってきました。イオリクラゲはめちゃくちゃきれいなクラゲで。で、これよく撮れたなぁと思ったんで、●●くんっていう友達に「これ、イオリクラゲっていうんだよ」って送ったら、既読スルーされました。あの、既読ついたのに無反応で、ちょっと悲しくなりました。
●●くんは、どういうつながりのお友達?
部活の友達ですね。
その子はシャッチーさんがクラゲとかよく見に行ってるのを知ってる?
はい。たぶん、なんか、変なの送られてきたなと思ってスルーした……あ、でも、しゃべるときによくネタになるので、ありがたく利用させてもらってます。
友達との連絡はLINEを使うことが多いのかな?
LINE使うこと多いですね。
どんなことをLINEでしゃべってるの?
あ、なんか、YouTubeとかで見てた面白いお笑いの動画送ったりとか。あとは、一緒に遊ぶときの連絡とかですね。
12 風呂椅子
13 イルカの人形
14 ハンコ屋
自由なように作品つくれたりするのがやっぱ好きです
12〈風呂椅子〉は、学校でつくった作品ですね。これ、椅子なんですね。
はい。もうちょっと写真の撮り方考えればよかったなって思ってますけど。これ、(写真に写った座面の)下に脚がついてます。
これをつくるのは、けっこう大変でしたか?
あ、でも、授業の時間でつくってるので、大変というか楽しくつくれた感じです。
シャチを入れたっていうのは、こだわりなのかな?
そうですね、はい。だいたい自分の作品には何かしらそういうものを入れるようにしてるっていうか、自然と入ってるっていうか。はい、シャチとかイルカとかの模様入れてることが多いですね。これは、なんか、自分のなかでシャチの好きな模様みたいなのが何パターンかあって、そのうちの1パターンっていう感じです。
何パターンもあるんですね。
なんか、自分がシャチ、バーって描くときに、便利な模様が何種類かあって、そのうちの1種類って感じですね。
ちなみに学校の授業だと何が一番好きなんですか?
僕は、技術が好きですね。
技術が好き。なぜ好きなのかな?
やっぱ、自由度が高いじゃないですか。正解がないっていうか。それで、自分が自由なように作品つくれたりするのがやっぱ好きですね。
作品つながりでいうと、13〈イルカの人形〉は?
これはイルカの人形をフェルトでつくったときのやつです。授業でやってて、そっからハマって家でもつくってたって感じですね。
こういう作品をつくるときっていうのは、つくり方はどうやって知るのかしら?
だいたい自分でつくり方とか調べてつくってます。
こういう作品をつくったときに、誰かに見せたりするのかな?
はい、けっこう見せてます。
どんな反応ですか?
ま、けっこういい反応してくれるときが多い。
つくってあげたりはするのかな?
それはないっすね。あの、なんか、友達の誕生日につくったりしたことはありました。この次のハンコとかを、友達につくったりしたのはありました。
あ、14〈ハンコ屋〉の写真?
はい。これ、自分がハンコをつくるのが好きで。それで、そのハンコのカバーと後ろの板をつくってた工房みたいなところがあったんですよ、家の近くに。で、その工房のイベントのときに、ま、僕がそこの工房にずっと行ってたので、「お店出してみない?」って言われて。それで出したときのやつですね。
すごい。これは誰かの顔?
これちょっと写真見にくいんですけど、左が明石家さんまさんで、右は羽生結弦選手ですね。いっぱいつくってるんですけど、まぁ出すならみんな知ってる人にしよっかなぁと思って。
へぇ~。ハンコをつくるときの人選の基準はなんなんですか?
人選。あー、なんか、有名な人とか適当に調べて、画像見てて、あ、この人つくれそうだなって人をつくるみたいな。あとはなんか、これ、何種類も色を重ねてるんですよ、影とかをつけるために。それで、画像を編集したときに、あ、この画像だとなんかちょっと分かりにくくなっちゃうな、みたいなのは省いたりってやってます。
ハンコに興味を持ったきっかけって、なんなんですか?
ハンコは、僕が行ってた学童のイベントで1回やってて。で、それを1回やったときに、そっからハマったって感じですね。
ハマると、すごく専門的にハマる感じ?
そうですね。なんか、僕、けっこう暇人なんで、あんますることがなかったので、なんか1個ハマったら、あ、これ、おもろ!っと思ってずっとやってたっていう感じで。
ハンコづくりは今も続けてるのかな?
今はたまーにつくってますね。前ほどはつくってないですけど、たまにつくりたくなったときにつくって。あとはやっぱ、有名な人とかに会うときはつくって渡したりしてますね、本人に。
有名な人に会う機会があるんですか?
あんま知らないと思うんですけど、数学教師芸人のタカタ先生っていう人がいて。で、その人のイベントがあったんで、その人のイベントのときに渡したり。あとは、水族館に生き物をこう、搬入する仕事をしている石垣(幸二)さんっていう人がいて。ダイオウグソクムシを日本に最初に持ち込んだ人なんですけど、その人と会ったときに石垣さんのハンコを渡したりしました。
おもてなしとかよくする?ホスピタリティに溢れてるなって思ったんだけど。
や、でも、自分のこと覚えててもらいたいとか、そういう欲求が強いんですかね。なんか、せっかく会うなら、なんかひとつ残していこうっていう感じでつくってますね。爪痕残すみたいな。
自分プロデュースというか、有名な人に会うとき、自分の見せ方みたいなものって準備していくのかな?
あぁぁ、なんか、この人にはこういう雰囲気でいったほうがよさそうだなみたいなのは、けっこう考えながらやってるかもしれないですね。
そういうのって、どこで身につけたんだろう。
僕の行ってる(探究学習の)教室が、もうけっこう、大人の、すごい教育関係の人とかが、すごいいっぱい来るところで。それで、まぁパーティーじゃないですけど、なんか、会があったときとかに、いろんな大人の人と会って、それで、まぁ話したりとか、それこそそのクラゲ仲間の人と、ぜんぜん知らない人と話したりとかっていうときに身についてたのかもしれないです。
11 筆箱
どうやったらもっと上手く伝わるとか、考えながらやってることは多いですね
11〈筆箱〉は、なんですか?
これは、筆箱ですね。なんか、自分のすごい象徴してるかなって思ったんで、写真撮りました。
自分を象徴してる?
自分はむちゃくちゃやっぱ生き物が好きで、なんか、いろんな作品でも生き物を何かにつけるぐらい生き物好きなので。で、いつもこういう筆箱使ってると、いろんな人に「なんだ?その筆箱」っつって話しかけてもらって。で、そっからなんかどんどんつながりが広がったりするので。なんか、そういう自分の特徴っていうかを表してくれてる筆箱かなと思って写真撮りました。
なるほど、そういうことなんだね。たしかにこれ何だろう?って思わせるもんね。
学校の先生にむちゃくちゃいろいろ言われます。「なんだ?筆箱」っつって。
学校の先生とも、ある意味、近い感覚でしゃべれるのかな?先生とはよく話す?
はい。先生とよく話しますね。僕が、その、学級委員やってるので。あと、部活の部長やってたりするので、なんか、そういう組織の関係こととかを(先生と)しゃべってることが多いですね。
学級委員だったり、部長だったり、人をまとめることが求められると思うけど、ハードルというか、難しさとか感じることもあったりする?
え、でも、なんか比較的、好きでやってるので、あんまり思うことはないっすけど。ま、なんか、どうやったらもっと上手く伝わるとか、どういうふうにしたらもっとたくさんの人間が動くかっていうのは、けっこう難しいなぁと思いながら、考えながらやってることは多いですね。
なるほど。たとえば、どうやったら上手く伝わるかなぁって考えたとき、シャッチーさんはどんなやり方をするのだろう?
だいたい、なんか僕が人に伝えたりするときは、やっぱ、とにかく面白さですね。笑いの要素をやっぱ必ず入れることは、けっこう強く意識してて。何かしゃべるときも、それに関するダジャレを入れながらしゃべるとか、まぁダジャレじゃなくても、たとえば授業参観の日に、なんか、「僕たちは、今日は水族館の魚の気分になって」とか、ちょっとそういう面白めのことを言うと、みんな耳がちゃんとこっち向くんで、それから真面目なことしゃべるみたいな、そういう感じです。
撮ってきてくれた写真のなかで、一番好きだなって思うものはどれですか?
んー、やっぱ9(〈水族館パンフレット〉)が一番好きかもしれないですね。
それはなんででしょう?
やっぱ今まで自分がやってきた活動っていうか、いろんな水族館に行って、その水族館の魅力みたいなのを、なんか自分のなかで感じながら……こう、ま、いったらいろんな水族館に行ってるのを、まぁ、すごい表してる写真かなっていうふうに思うんで9ですかね。
じゃあ、この写真は自分らしいなぁって、一番思う写真ってどれですか?
んー、自分らしいと思うのは1(〈生物採集〉)ですかね。
それはなんでだろう?
んー、なんかこう、やっぱお台場っていう、別に海がめちゃくちゃきれいとか、そういう場所ではないんですけど。そういうとこで、自分でクラゲ採ってたりとかするのが、なんかこう、自分のやりたいこととかにすごい近いかなっと思って、1ですかね。
すごい情景が見えた。住んでる地域に対する思いとかって、何かあったりする?
あ、そういうわけじゃないんですけど、なんか、お台場の海ってオリンピックあったときに、そのー、国がものすごい予算使ってきれいにしようとしたんですけど、ま、でも、ぜんぜんきれいになんなかった海で。だけどまぁ、そういう海にも、クラゲ採ってて思うんですけど、めちゃくちゃいろんな生き物がいて。ま、そういうのがすごいいいなぁって思ってるので、なんか、お台場の海の魅力とか、そういうのはけっこう自分で感じてる部分があるかもしれないです。
本当。海を見ると気持ちが落ち着くとか、そういうのあるのかな?
ん、落ち着くというよりは、どんなもの(生き物)がいるのか見てみたいみたいな、好奇心のほうが勝るかもしれないです。逆に落ち着かないかもしれない……
ワクワク感?
はい、ワクワク感です。
(聞き手:こども研究所/Zoomにて)
撮影写真一覧
01 生物採集
クラゲを採集している時の様子です。
02 生物採集
クラゲを採集している写真です。
箱の中に捕まえたクラゲがいます。
03 採集セット
クラゲの採集セットは手作りのものが多いです。 一番右は、長く伸びる棒に柄杓をくくりつけたのもです。これでクラゲを取ります。
04 家で飼ってるミズクラゲ
近くの海から採ってきてクラゲの妖精の状態(エフィラ)から家で育てているクラゲです。
05 クラゲのエフィラ
クラゲのエフィラという状態からクラゲを育てています。
06 キタユウレイクラゲ
よく行く水族館で、撮ったキタユウレイクラゲという僕の好きなクラゲの一種です。
07 イオリクラゲ
よく行く水族館で、撮ったイオリクラゲという僕の好きなクラゲの一種です。
08 バンドウイルカ
横浜にある水族館で撮った僕の一番好きな生物の写真です。
09 水族館パンフレット
今までに行った水族館のパンフレットです。何度も行ったことがあるところは、古いシリーズと新しいシリーズのどちらも持っています。
10 お手紙
水族館の飼育員の方からいただいた手紙です。
自分の宝物です。
11 筆箱
北海道へ旅行へ行ったときに買ってもらった筆箱です。
12 風呂椅子
学校の技術の時間に作った風呂椅子です。 シャチが好きなのでシャチの模様を木に焼いて作りました。
13 イルカの人形
フェルトを使って作った、イルカの人形です。
14 ハンコ屋
僕は消しゴムハンコが得意で、自分のハンコ屋さんをやらせていただいた時の写真です。
インタビューをふりかえって(語り手本人の感想)
インタビューはどうでしたか?
お話を聞いていただいたことで、改めて自分の好きなことやこれからやりたいことを頭の中で整理できました!
「自分らしいな」と感じたことはありましたか?
自分の好きなことをやっている時が、一番自分らしいと、思いました。
「自分は意外とこうなんだな」と気づいたことはありましたか?
生き物以外の様々なことに興味、関心があること。
インタビューをふりかえって(聞き手の感想)
イルカに対する「好き」の気持ちと「研究対象」としてみるクラゲについて、冷静に自分のことを分析する姿に“頼もしさ”さえ覚えました。学級委員も務める彼は、先生や級友に自分の姿をどう見せたらいいのかとうことを自然に体得しています。それが嫌味なくナチュラルだから不思議にすら感じられます。ともすれば、好きなことをなかなか見つけられない、と悩む人々も世の中には多い中、幼い頃からこれだけ熱量を注げるものがあるシャッチーさん。私が中学生のころに彼のような方が身近にいたらきっとたくさんの刺激を受けていたに違いありません。またクラゲのことも、もしかしたら他に興味がでてきたとしたら、そのこともいつか聞かせてほしいな。
(こども研究所・研究員T)
インタビューを読んで(ご家族の視点)
「この子らしいな」と感じたことはありましたか?
写真10,11,14 自分の好きなことに夢中になり、それをきっかけに人と出会い、自らの世界を広げていく行動に繋げていくところ。 今後もそうやって人生切り拓いていくんだろうなと思います。
意外だった/知らなかったことはありましたか?
写真1でのお台場の海への思い。 家から近く、研究対象として興味を持ったクラゲがいるから通っているとしか思っていなかったので、海を通じて、自分が育った地域への愛着につながっているならいいなと思いました。
その他に気づいたことなどはありましたか?
本人も、暇な時間が結構あったから色々ハマれたと書いてましたが、小学校高学年から中学2年までの数年間に及ぶ暇な時間って大事ですね。 自分の気の向くままに色々やってきたことで、本人の今があるなと感じます。
(シャッチーさんとの関係:母)
インタビューを読んで(第三者の視点)
人の何倍もいろいろなことをして、楽しく生きているようなシャッチーさん。好きなことを突き詰めていく好奇心もすごいし、自分では分からないことも、人との関わりをもって探究しているところもすごいですね。お台場の海についての考察は、特にすごいと感じました。クラゲを採集する身近な場所に対して、客観的な引いた視点でさまざまな角度から良い面と悪い面をとらえ、最終的に海の環境にまで意識がいくなんて、なかなかできることじゃないと思います。私の友達にも、天文が好きで、そこから物理や数学にどんどん興味を広げていった人がいます。シャッチーさんが何に興味をもち、探究の先でどんなところに行き着くのか、とても楽しみです。応援しています。
(神奈川県、70代、元教員、ケ・セラ・セラ)
あなたも小・中学生への応援コメントを書いてみませんか?
このインタビューを読んで、共感したこと、いいなと思ったこと、応援したいことなど、あなたがこの子の語りや写真に対して感じたポジティブな気持ちを、応援コメントとして下記フォームからお寄せください。