トピックス調査

2024年のしあわせ点数は?

小中学生のしあわせ点数は81.5点
2025年は「平和で戦争のない世界」になってほしい

今回は、こども研究所が隔週で行っている「いまの気分調査」の特別編。「いまの気分調査」では、 小4~中3生300名を対象に「前週の心に残ったできごと」や「しあわせ点数とその理由」などをきいています。
この特別編「2024年の気分調査」では、小4~中3生※1 の対象者を600名に拡大して、2024年1年間の「心に残ったできごと」や「しあわせ点数」に加え、「2025年の目標や期待」を聴取しています。さらに、15~79歳※2 計700名にも同じ調査を実施し、小中学生の結果とあわせて2024年を振り返ります。

※1:本レポート内では「小中学生」としています。
※2:本レポート内では「高校生/大人」としています。15歳に中学生は含まれませんが、15~17歳には学生以外も含まれます。

2024年のしあわせ点数の平均点は、小中学生が81.5点。高校生/大人は64.7点。

  • 2024年の1年間、自分のことをどれくらい「しあわせ」だと感じたかを0~100点満点できいたところ(しあわせ点数)、小中学生の平均点は81.5点。高校生/大人は64.7点。小中学生の平均点は、高校生/大人と比べて+16.8点でした。

  • 小中×男女別では、小学生が男女とも85点以上で、中学生は70点台後半でした。小中学生の平均点の80点超えを牽引しているのは、小学生ということがわかります。

  • 小中別・年代別では、小4~小6が最も平均点が高く、86.3点。最も低かったのは40代の53.7点で、グラフはすり鉢型になりました。
  • 小学生

    • 50点。(転校して)色々と大変だったから。(小5男子・東京都)

    • 80点。(自然教室)楽しみにし過ぎていたからだと思うけど、思っていたほどは楽しくなかったから。(小5女子・福岡県)

    • 80点。ゲームができるようになって人生楽しくなった。(小6男子・愛知県)

    • 95点。小学校最後の運動会だったし、徒競走1位とったり、ダンスも成功したから。(小6女子・神奈川県)

    • 100点。すぐに野球を見に行くことができるところに引っ越しをした。テレビ中継もしていて、すぐに見ることができる。たくさんグッズも買って、応援歌も覚えて、友だちも増えた。(小5男子・宮城県)

    • 100点。(宿泊学習で)みんなと楽しい思い出が出来て、初めてお泊まりもして、みんなで夜更かししていろんな話をしたことが楽しかった。(小5女子・茨城県)

    中学生

    • 5点。テスト勉強が嫌すぎる。(中1男子・千葉県)

    • 55点。物価が高くなって外食や好きなものが買えないから。(中3女子・北海道)

    • 70点。(高知を旅行して)食事も観光地もよかったけど、もっと詳しい歴史も見たかった。(中1男子・愛知県)

    • 70点。卒業して仲が良かった友達と別の学校になったり、入学して新しい友達も出来たけど、あまりうまくいかなかった友達もいたから。(中1女子・兵庫県)

    • 85点。コロナ禍でなにも出来なかったので修学旅行と体育祭がめちゃめちゃ楽しくワイワイできて友達の輪がいっきにひろまった。(中3女子・広島県)

    • 100点。学年の先生達や、クラス全員が、僕のクラスは合唱コンクールで優勝できないって思ってたのに、クラス皆で練習して最後に優勝できたこと。(中3男子・大阪府)

    2024年の最も心に残ったできごとは、小中学生、高校生/大人ともに「旅行」。

  • 2024年で心に残ったできごと(5つまで)を自由回答できいて、その中で最も心に残ったできごとを1つ選んでもらいました。

  • 小中学生では「家族や親せきとの旅行」が最も多く、次いで「学校の修学旅行・課外授業」の主に宿泊をともなう学校行事でした。コロナ禍が一段落して、 修学旅行や宿泊学習が平常通り実施されるようになったことがうかがえます。

  • 高校生/大人でも「旅行」がトップ。次いで「家族や親せきの病気・不幸」。社会的なできごとでは、「能登半島地震・豪雨」などが挙がりました。

  • 小学生男子では「学校の修学旅行・課外授業」より「家族や親せきとの旅行」、小学生女子では逆に「家族や親せきとの旅行」より「学校の修学旅行・課外授業」の回答が多くありました。

  • 「テニスで県大会に出た」「陸上の大会で自己ベストを出した」など、部活での活躍や成果の回答は、特に中学生で多くみられました。

  • ユーザーローカルAIテキストマイニングによる分析( https://textmining.userlocal.jp/ )

    小中学生の2024年の最も心に残ったできごとは、「自分」「学校」「家族・親せき」に関すること。

  • 小中学生、高校生/大人のどちらも「自分」についてがトップでした。

  • 小中学生の2位以下は「学校」「家族・親せき」「友だち・知り合い」が続き、身近な話題が中心。一方、高校生/大人のトップ10には「世の中・社会」「天気・自然災害」「政治」などが挙がりました。
  • 2024年の最も心に残ったできごとを気分オノマトペでいうと、「わくわく」「やったー」。

  • 2024年で最も心に残ったできごとについて、どんな気分になったかをオノマトペで回答してもらいました(気分オノマトペ)。

  • 小中学生、高校生/大人の両方で1位は「わくわく」、2位は「やったー」。ただし、小中学生の「わくわく」は21.3pt、「やったー」は21.1pt、高校生/大人より高い値です。

  • 小中学生の3位は「うきうき」でポジティブなワードが続きます。高校生/大人の3位は「どきどき」でした。

  • 最も心に残ったできごとを「気分オノマトペ」別にみてみると、小中学生の「わくわく」を構成するワードは、「修学旅行」「林間学校」など宿泊をともなう学校行事や「家族旅行」。「やったー」では「運動会」「体育祭」などのスポーツ系行事で、何かしらの達成感を得ているようすがうかがえました。「うきうき」では、「ディズニーランド」「ユニバーサルスタジオジャパン」などのテーマパークでの体験に心が弾んでいるようです。

  • 高校生/大人でも「わくわく」「やったー」が上位で、多くは大谷翔平選手の活躍についてのできごとを評したオノマトペ。「どきどき」では、「能登半島地震」「トランプ氏」などのできごとに紐づいていて、心落ち着かないといったようすもみられます。
  • ユーザーローカルAIテキストマイニングによる分析( https://textmining.userlocal.jp/ )

    2025年は2024年と比較して「変わらない」と考えている小中学生が6割以上。

  • 2025年の世の中は、2024年と比べてどうなると思うかたずねたところ、「変わらない」と回答した小中学生は6割以上。「悪くなる」と回答した小中学生は8.5%で、高校生/大人よりも21.2pt低い値でした。

  • 小中×男女別では、「良くなる」と答えた小学生女子は3割で、4層中最も高い値。中学生男子では「悪くなる」と回答した人が1割を超えました。

  • 小中別・年代別で、「良くなる」と回答した人は、15~19歳が最も多く38.0%。次いで30代の32.0%。小4~小6の29.0%よりも高い値でした。
  • 2025年の世の中に対する小中学生の期待、願望は「平和で戦争のない世界」が最多。

  • 来年2025年の目標や願望を自由回答できいたところ、小中学生の〈自分自身や身の回りのこと〉では、「勉強をがんばりたい」「テストの点数アップ」といった勉強に関することが最も多く挙がりました。続いては「入試合格・進学」に関しての希望や決意で、中2~中3生が中心ですが、小学生でも散見されました。

  • 小中学生の〈社会や世の中のこと〉では、「平和になってほしい」「戦争がなくなってほしい」という回答が突出して多くありました。また、「物価が下がってほしい」という回答の中には、お菓子やゲームが安くなってほしいという声もありました。

  • 高校生/大人の〈自分自身や身の回りのこと〉では「自分自身や家族の健康」、〈社会や世の中のこと〉では「物価安定・インフレ抑制」と、より生活に密着した切実な回答がみられました。
  • 自分自身や身の回りのこと(小中学生)

    • 数学のテスト、1回でもいいから、100点を取りたい。(小4男子・埼玉県)

    • 中学生になるので心機一転、勉強や運動を頑張りたい。(小6女子・兵庫県)

    • 高校に合格したい。(中3女子・滋賀県)

    • 陸上の試合で新記録を出したい。(中1男子・長崎県)

    • 部活でもっとうまくなって大会に出る。(中1女子・愛知県)

    • 卒業まで1年半もないから小学校の友達とたくさん遊びたい。(小5女子・福岡県)

    社会や世の中のこと(小中学生)

    • 戦争が無くて平和な世界になって欲しい。(小5女子・青森県)

    • お菓子を買いに行くと値段が高いので、もう少し安くしてほしい。(小5男子・鳥取県)

    • ゲームがもっと安くなってほしい。(小5男子・東京都)

    • 災害がなるべく起こらないでほしい。(中1女子・愛知県)

    • 家族と不安の無い生活が出来たら嬉しい。(中3女子・東京都)

    • 経済が良くなってほしい。(小5男子・神奈川県)

    おとな研究員
    おとな研究員
    おとな研究員

    博報堂教育財団こども研究所が、年間を通して隔週で行っている「いまの気分調査」では、小4~中3生300名を対象に、「前週の心に残ったできごと」「しあわせ点数とその理由」などを継続して聴取しています。
    今回は特別編「2024年の気分調査」として、いつもの小4~中3生だけでなく、15歳~79歳にも同じ設問をきいて2024年の1年間を振り返りました。
    この調査で、他の年代の人たちの結果も含めて小中学生の「しあわせ点数」をみてみることで、小学生や中学生の幸福度が高いことを再認識しました。また、「最も心に残ったできごと」の多くが家や学校などの身近な場所で起こったできごとであることを踏まえると、改めて子どもの生活環境の重要性を感じます。

    調査概要

    小中学生男女を対象に、子どもをとりまくさまざまなトピックスについて聴取する調査です。「子ども」「ことば」「教育」に関するトピックスについて、子どもたち自身がどう感じ、考えているのかを明らかにすることを目的としています。

    調査エリア
    全国
    調査対象
    小4〜中3 男女 600人
    15~79歳 男女 700人
    調査日
    2024年11月17日
    調査分析
    公益財団法人 博報堂教育財団 こども研究所
    調査方法
    インターネット調査
    調査機関
    QO株式会社

    子どもの回答にあたっては、保護者の監督のもとで行っております。

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